学歴についての質問まとめ

2020-05-07

学歴についての質問も多くいただいています。

各航空会社の自社養成パイロットの試験にはやはり有名大卒でないと受からないのか、またそのために大学を編入すべきだろうか、また航空大学の受験について。

そんな質問について考えてみます。

まず話を分けて議論していきたいと思います。

パイロットになる方法についてはいくつかありますが、学歴が問題になるのは主に自社養成パイロットの試験だと思います。

私大の操縦科についてはそもそもそういう大学を受験しませんし、航空大学校についても筆記試験、航空身体検査、適性検査と面接がその試験にありますが、面接において「おおすごいねぇ」とはなっても、それだけ努力できる人間であることが考慮されることがあるとは思いますが、学歴そのものが合否に関係するということは少ないと思います。

しかしいずれにパイロットになる上でせよ学力は必要です。私大については受験そのものだし、人気大学については倍率も上がってきているでしょう。航空大の試験の筆記試験も難しいし、みんなが行きたい、と思うところはいずれも難関になっています。

そんな中で比較的評価のしやすい学力は持っていることが当たり前という世界だと思います。

有名大学から航空大にいく人もたくさんいるし、私大の操縦科も、余裕で有名大学へ行けるくらいの実力のある人がたくさんいます。最近はエアラインに私大卒のパイロットが増えてきましたが、めちゃくちゃ優秀だなぁって思う人がいます。

では自社養成パイロットの試験ではどうなのか。

僕の私見ですが、できるだけ難関と言われる大学に行ったほうがいいと思います。
誤解のないようにしたいのですが、決して一流大学へ行かないと自社養成に受からないということではありません。そもそも針の穴を通るくらい狭い試験に受かる確率を、1%でも上がるためにできることはなんでもやった方がいいと思っているからです。

実際に自社養成試験に合格している人を見てみると、いろんな大学の人がいます。
旧帝国大学を始め慶應や早稲田などの有名大学を出ている人、関西大学や同志社大など地方の大学、明治大学や青学などのマーチと呼ばれる大学、地方の国立大学や聞いたこともない大学を出ている人もいます。異色に聞こえますが、体育大学を出てきた人も同期にいます。

そういう意味では大学はあんまり関係ないって言い方もできるし、やっぱり割合としては有名大学を出てきている人が多いので狙うのであればそこを狙った方がいいのかなとも思います。

実際に大手航空会社が大学に関して、どう考慮しているのかは定かではありませんが、大学によって偏りが出ないようにとっているようにも見えます。もしそうだとすると、例えば慶應大に行っても、就職試験においては他の慶応大生と勝負しなければならないことになりますね。ほんとかな、よくわかりません。

大前提で言えば、就職活動はそもそも総合評価だと思います。

エントリーシート、筆記試験、集団面接、グループワーク、操縦適性、航空身体検査、英会話面接、最終面接とありますが、企業からしてみれば相手がどんな人がわからないところからなんとか会社に必要な人に入ってきて欲しいわけで、その中で上の試験を行い、どうにか評価して、合格者を決める。筆記試験の点数だけで決められる大学入試とは全く性質の違う試験です。

その中で学歴というものはそれなりに、リーズナブルな範囲で考慮されるのだと思います。

一流大卒であればまあそれなりにちゃんとした人なんだろうという安心感がありますね。またその大学へ入れて、卒業できるだけの学力があることは保証されています。でも会社はそれだけではダメだし、最近は有名大学の不祥事なんかも多いですね。

まっとうに考えると、会社は自分にとって利益となる人材が欲しいわけで、それは一般的には会社を成長させてくれるくらいの能力と意欲、行動力のある人間だと思います。
パイロットという職種に関して言えばその必要とされる能力は少し特殊なのですが、自社養成試験においてはパイロットへの適性と、上の社会人としての適性の両方を考慮していると思います。

そう考えていく上で、どこの大学を出たかという学歴そのものにはあんまり意味はなく、すごい大学へ入れるくらい高い思考力や記憶力を持っていることには意味があると思います。そこから先はあまり重要ではなく、大学へ入ってからもっと世界が広がって、どんなことをやってきたのか、利益を上げる人脈を作る能力はあるのか。それらをひっくるめてなんとか客観的に受験生を評価して、採用を決めます。

だから学歴というのはそれなりに評価はされますが、そのくらいです。

だけど僕はその1%でも取りに行くべきだと思います。逆に言えば学歴がいまいちでも、他でアピールできるならば全然取り戻せます。

もう一つ、パイロットとしての適性でもそれ以外の社会人としての適性でも両方に言えることですが、志を高く持ち、自分で目標を設定してしっかりと努力する能力は高く評価されると思います。

高校三年生以下の人に向けて言いたいことは、結果的にダメだったとしてもそれは全く問題ないけど、最初から自分には無理だろうとか、ちょっと努力するの辛いからという理由で志望校を下げてしまう人は、その時点でもう負けてる。

パイロットになりたいのであれば、将来自社養成試験でライバルになるのは努力しまくって、結果もついてきた人です。また、一流大学に入れなかったけど、悔しい思いをバネにして大学生活をもがいて、一生懸命頑張ってきた人たちです。

持論ですが、本気で努力した人であれば、大学の志望校は落ちても受かってもいいと思います。

結果がついてきた人はその強さや自信があってより一層前に進んでいくだろうし、悔しい思いをした人もその悔しさを正しい方向へ向ければ、もっと有利に自社養成試験を受けられるかもしれない。

一番ダメなのは、甘えです。一流大学へ行ってその学歴に甘んじている人もダメだし、有名大学へ行けなかったけどこんな自分を誰かが拾ってくれるはず、なんて甘えもききません。

なんだか偉そうに説教じみてしまいましたが、僕は人を評価する立場にはありません。
参考程度にしてくれればと思います。

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