今後のパイロット需要について

私はパイロットを目指し就職活動してきたのですが、自社養成試験に落ちてしまいました。
しかし、やはり空を飛びたいという憧れはつよく、諦めきれなかったため一般企業に就職したのち資金を貯め、自費でライセンスをとり、航空会社の採用にのぞもうと思っています。
そこで管理者様に質問なのですが、今後のパイロット需要に関してどのようなお考えをお持ちでしょうか。
私は昨今の自社養成採用の中止や縮小に加え、航空大の必要性をも見直されているいま、一般大学の操縦学科や自費での免許取得でもその内容がしっかりしている限り、十分パイロット養成のメインストリームの一翼になりえると考えています。
ながながとまとまりのない文章で申し訳ありませんが、今後のパイロット需要に関しての管理者様のお考えをお教えいただければと思います。よろしくお願いします。
By Kさん

回答

Kさん質問ありがとうございます。
実は私も学部時代に自社養成に不合格となり非常に悔しい思いをしたので、その諦めきれないという思いはよくわかります。
では今後のパイロット需要に関して僕の考えを述べます。
あくまで僕の考えです。
まず、航空業界は外的な要因(今回の地震や戦争など)に極端に弱いことを覚えておいて下さい。
また、景気の波にも影響されやすい。景気が悪くなると出張で乗るビジネス客が大きく減るからです。
したがって何も外的な影響がなく、景気もここ数年と同じ推移をたどると仮定して話します。
最初に、日本で必要なパイロットの人数はどう決まるのか、マクロに説明します。
まず旅客数があり、その旅客数をいくつの飛行機で運ぶのかがあり、飛行機一機当たりに必要なパイロットの数が決まっているので、そこから概要をつかめると思います。
では旅客数はどうなっていくのか。これは僕が予想するよりももっと権威のあるデータがあるのでそれを使います。航空旅客数の推移については、国土交通省が数えて公開してくれてます。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr1_000001.html
上を参照して下さい。国内についてはここ30年で急激に成長して、ほぼ頭打ちになったようにも見えますね。国際線についてはまだまだ伸びそうだ。
次に、今後の需要予測について
http://www.mlit.go.jp/singikai/koutusin/koku/07_5/01.pdf
これを参照してほしい。レポートの真ん中ちょっと下くらいのページに国内、国際線の需要予測があります。
以上、旅客数は伸びそうだと言える。
次に、飛行機について。
昔だとボーイングのジャンボジェットなんかで一気に運んでいたんだけど、最近の流れでは飛行機は小型化されている。細かく何度も往復して運ぶコンセプトになってる。だから飛行機の絶対数は増えてきている。
http://www.spc.jst.go.jp/statistics/yb09_15/list36.html
従って、パイロットの必要人数は必ず増えると言えると思います。
次に、自費でのライセンス取得者について。
つまりはA制度採用の人数がどうなるのか、ということですね。
大手2社ではやはり自社養成採用がメインだと思います。
しかし、地方の航空会社では今でもいくつかはA制度募集を行っていますし、これからパイロット需要が増える中で募集数も増えるでしょう。
しかし、A制度募集も自社養成と同じく狭き門であることはかわらない。
そして大切なことですが、得にA制度募集はタイミングの問題があります。
エアラインが、新たに飛行機を導入するタイミングでパイロットを(比較的に)大量採用します。
少し前に、スカイネットやスカイマークがそれで採用をしていました。
このように運による要素も大きいのですが、現在の流れとしては、LCC(ローコストキャリア)ができることなど、自費取得ライセンサーの採用数は増える流れにあると思います。
また、パイロットの派遣会社が出来たのをご存知ですか?
双日とANAが合弁でこんなものを作ってます。
http://www.sojitz.com/jp/news/2006/20060817.html
僕の議論は以上です。
データばかり並べて明言をさけて卑怯なのかもしれませんが、上のデータがあるにしても、やはりやるにはリスクが伴います。
それに目を触れずに大丈夫だとは僕は言えません。
自分で決めなさい。リスクもメリットも考え抜いた上で。
君は文章から察するにそれができる人間だと思います。
でもこれだけ言っておく。この仕事は最高に面白い。
やる価値はある。
相談には乗ります。
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