進路相談。自社養成パイロット、航空大学、私大の操縦科のどこがおすすめかの質問
たくさん頂いている質問の一つは、進路相談について。
パイロットになる方法でどんな道からパイロットになることができるのか説明していますが、この中で現在大学生の人は航空大学と自社養成、またその受験の時期や、在学中に合格しなかった場合で、働きながら自社養成パイロットや航空大を受験する方がいいのか、または留年させて新卒扱いで受ける方がいいのか。
また現在高校生や中学生の人は上の航空大学と自社養成、さらに私立大学の操縦科も選択肢に入ってきます。
そんな中で人それぞれ状況は違うし、何が正解というものでもないのですが、僕の意見を返しています。
まず、現在大学生の人に対して、航空大と自社養成パイロットの2択で、その受験のタイミングやどっちがいいのかという質問に対して、僕が思うのは、受験機会を最大化させることが一番パイロットになれる確率を上げる選択だと思っています。僕自身、自分が大学生の時にはこの考えで選択しました。
現在2020年では大学二年生相当であれば航空大学の受験資格が得られて、大学卒業時には自社養成試験の受験機会があって、そこまでダメでも、大学院卒業時の自社養成の試験を受けられる。僕の頃は新卒だけでしたが、現在は第二新卒でも受験できるということなので、もう少し受験機会は多いはずですね。また、情報によく気を配って、どこの会社が自社養成パイロットの募集をしているのか、今年から始めたなんて情報をキャッチして、それら全部受験して、毎年受験して、受験機会を増やすこと。
そう考える理由は、やはり合格率が極めて低いこと、またそのために自分の能力や経歴が合格にダイレクトに結びつかないために、極端に言えば宝くじと一緒で、当てるにはたくさん買えという発想です。
自社養成パイロットの合格率は何百倍って確率だと思いますが、これに受かるっていうのは相当難しいことです。
また、いろんな大学、学部から候補者を選別していると思われるので、東大生だってほとんど落ちる試験です。
まして、身体検査の基準も会社によって違うし、その基準がどうなっているのかも正確にはわかりません。
だからめちゃくちゃ優秀で、パイロットとしての資質を持っていたとしても、それでも合格するかは全くわからないと言えると思います。
だから、(筆記試験で話にならないとかは別として)受験回数が倍になれば、合格する確率も倍近くになるのかなと思います。
つまり、受験機会をなるべく多くとることが合格への可能性を大きく上げることになります。
次に現在高校生以下の年齢の人で、上に加えて私大の操縦学科のある大学を考慮する人。現在では東海大学、桜美林大学、法政大学、崇城大学などがパイロットになれる操縦科を設定しています。
高校生三年生の人はまず私大の操縦科を受験するか、一般の大学へ行って航空大学 or 自社養成パイロット試験を狙うかの2択になるわけですが、ここでどっちの選択がいいのかについては、人によるということになります。
人の何によるのかというと、価値観、志望度、経済状況になるのかなと思います。
操縦科のネックになるのが、学費ですね。大学によってばらつきがあると思いますが、1000万円から4000万円くらいでしょうか?この金額をぱっと出せる家庭は少ないと思います。最近は操縦科出身のパイロットがたくさん増えてきて、機長にもなっています。
一旦この費用を親に肩代わりしてもらって、パイロットの給料をもらいだしてから返していくって人もたくさんいるし、操縦科にいく学生のための奨学金制度もあるようです。
そう考えるととても魅了的に見えますが、考えうるリスクとしてこれだけ資金を注ぎ込んだにもかかわらず、パイロットになれないかもしれないというリスクがあります。
途中で体を壊してしまうかもしれないし、大学を卒業できても適性の問題でエアラインに就職できないかもしれない。他にも外的な要因として、最近のコロナのように航空業界全体での不況と重なってしまうと就職率が下がります。過去にはオイルショックの時にはパイロットの就職が激減して、航空大学校を卒業したけどエアラインに就職できないなんてことがありました。
もう一点はパイロット以外の道が開けにくくなるということでしょう。誤解を招きそうな言い回しですが、私大の操縦科も学位を取得できるので、他の大学生と全く同じ立場でパイロット以外の就職活動が行えると思います。
しかし、例えば元々東大に行けるくらいの学力のある人が(就活は学力だけではありませんが、極論として)、操縦科に行って、何らかの理由でパイロット以外の就職活動を行う場合と、東大に行って就職活動を行う場合では就職先の選択肢は後者の方が圧倒的に多くなると思います。
そのため、高校生の時点でパイロットへの志望度が高ければいいのですが、大学でもうちょっと色々経験して、自分の将来を決めたいという人には向いていません。
しかし、操縦科を卒業した人の大半が現在はエアラインに就職しているようなので、パイロットになれる可能性が最も高いのはこの選択だと思います。最初に述べたように、あとの二つ、航空大学と自社養成パイロットは倍率が高すぎるためです。
つまり、パイロットになりたいという意思がほぼ固まっていて、経済的に学費を捻出する余裕があるか、または奨学金などの借金をするリスクをとってでも自分はパイロットになりたいって人には私大の操縦科を選ぶのが適当で、いやそこまでのリスクは取れない、またはもう少し大学でいろんなことを経験して数ある選択肢の一つとしてパイロットを志望しているって人は一般の大学に行き、航空大学と自社養成試験を受けていくのがいいのだと思います。
人それぞれ状況は違うし、大学卒業したけど自分で海外にライセンスをとりに行こうか迷っているとか、本当にいろんな悩みがあると思います。外資系エアラインに関する質問もありました。
関連した質問のリンクを下に貼り付けます。ただ、下にいくほど情報は古いので注意してください。
同じようなことであっても大歓迎です、ぜひ質問してください。
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進路相談について
現在、私は某有名私立大学に通う大学1年生です。高校3年生の頃にエアラインパイロットを目指し始めましたが、進路をパイロットに絞りきれず、将来的には 航空大学校、自社養成を受験することを視野に入れつつ今の大学に入学しました。しかし、大学の授業を受けたり、自分の将来を真剣に考えたりするなかで、将来はパイロット一択でいきたいと今年の夏頃に考えるようになりました。それなら今年、私大パイロットコースを仮面浪人という形で受験することがパイロットになるための受験回数を増やすという点でもエアラインパイロットになれる可能性が最も高いルートだと考えました。親から学費のことは心配しなくてもいいと言われていることもこの決断に至った大きな理由の一つです。しかし、わざわざ今の大学を捨ててまで再受験するのはいかがなものなのかと自分の決断が揺らぐことが最近よくあると共に周りに競いあう仲間もおらず受験勉強のモチベーションも上がらないのが現実です。大学で様々なことを経験して航空大学校、自社養成を目指すのも非常に魅力的だと考えますが、倍率が私大に比べ高いのでそこがネックになっています。まとめると、今年、辛抱して私大パイロットコースに進むか、大学卒業後に航空大、自社養成を目指していくか迷っています。
現役エアラインパイロットの方の目線から、自分ならどのルートをとるか理由と共に教えていただければ幸いです。
1、自社養成・・ANAやJALなど自分の希望する航空会社に就職できる。給料もでる。そのかわり倍率は一番高く、学力があるだけでは合格できないので、メリットは多いが、一番パイロットになれる確率の低いコース。
2、航空大学校・・大手航空会社に多数の卒業生をだしている。私大のパイロットコースに比べると学費もかなり安い。ただ、倍率はやはり高い。
3、私立大学・・最近は大手への採用実績も少しずつ増えています。でも、多くはそれ以外の中小航空会社への就職です。航空会社を選ばずパイロットになれれば良いというのでしたら良い選択だと思います。前2者に比べると入学はしやすいと思います。もちろん操縦適性がないと卒業は出来ないので学力だけでは駄目ですが。一番の欠点はやはり学費ですね。卒業まで生活費も合わせて3000万円ぐらいは考えておいた方が良いです。
あと気になるのは、航空会社の負担金というのがあります。体力のある航空会社はいいですが、この航空不況で、中小航空会社が航空大学校からの募集を維持できるかという点があります。(国の援助があるかもしれませんが)私立大学は全額、学生負担なので航空会社の負担はないので良い人材がいるのでしたら経営的には助かりますね。
https://www.mlit.go.jp/common/000016676.pdf
まずが、健康が一番なので、航空身体検査を受けてみたらどうでしょうか?これに受からなければパイロットへの道はないですから。